
(2021年8月5日)楽曲「第四の壁、向こうより」画像集+解説
こんにちは。
前回の予告通り、今回は7月10日に投稿しました「第四の壁、向こうより」の画像集と解説を記事にしようと思います。
▼楽曲動画
今回の記事は、この生放送で話したこと+もうちょっと掘り下げたものを書いていこうかと思います。
前提として、私は作品の明確な答えはあまり公開したくはありません。
作者が明確な答えを出してしまうとそれ以外は”不正解”ということになってしまうのが嫌だからです。
それぞれの解釈があって、自分の中でもっと素敵な答えが出ているなら私の用意した答えなど気にせずともよいのです。
あなたが好きになってくれた作品は、あなたの感情も含めて作品なのですから。
■画像集+解説
一枚一枚、細かいこだわりがあるので文章も一緒に書いていこうかと思います。
なにはともあれ、まずは設定画です。

この記事では、舞台の上の少女(可不)をAちゃん、客席の少女をBちゃんと呼ぶことにします。
Aちゃんはもちろん可不ちゃんのビジュアルなのですが、服装などに少しアレンジを加えています。

一番最初と最後がメインで使われる絵です。
生放送では話せなかったんですが、今回の動画の絵は全体的に光の当たり方に気をつけていたことを思い出しました。
この絵で言えば目の前の舞台から光が当たっています。
ただ、目に注目していただきたいんですが、実際の舞台を見ているならこんなに四角くてはっきりとハイライトが映るものでしょうか。
最後のシーンを見れば彼女が何を見ているのかわかると思うのですが
『舞台を見ている』というのは比喩表現でしかない、という暗示です。


イントロ部分はこの3枚で構成されていますね。
このAちゃんは、逆に客席の方から光が当たっています。



舞台の上のAちゃん。
歌っているのか、演技をしているのか。



小物たちです。
一見『舞台』とは関係なさそうな物たちです。
これも『舞台』は比喩表現でしかない、という暗示です。




不穏なAちゃん。
何を考えていたんでしょう。
100%善意の気持ちでした行動でも、他人からしたら不気味に映ることもありますよね。
伝えたくても、伝えても、言葉にしても、それが届けたい人の心に届かない、ということを
ずっと続けていくと、おそらくネガティブな感情も湧くと思います。
だとしてもきっとAちゃんはBちゃんを傷付ける術すら持たないんですけど。




Aちゃんが「気付く」シーンの絵です。
本来、客席から舞台の上の人物は綺麗な演者にしか見えないように、舞台の上からも観客の本当の姿なんてものは見えないのではないでしょうか。
どんな気持ちであろうと手を伸ばしたからこそ、Aちゃんは顔を伏せるBちゃんに気付けたのでしょうね。
このシーンは、舞台の上でもフィクションでも現実でもないシーンだと思って作っていました。
時が止まった世界とか、精神世界というか。それでも二人が目を合わせることはないし、言葉を交わすことはないんですが。

ラスサビに向けての「決意」のシーンです。
結局Aちゃんにできることはひとつしかないのです。

このシーンの表情が一番迷いました。
あからさまに感動しているような顔にはしたくなくて、それでも心のどこにも引っかかっていないわけじゃない、という塩梅は難しかったです。
瞳を注目していただけるとわかりますが、舞台の上のAちゃんをはっきりと捉えています。
このシーンのBちゃんの瞳には、四角いはっきりとしたハイライトはありません。


再び舞台の上のAちゃん。

そしてAちゃんの最後のシーンの絵です。
「待っている」その日は、いつか訪れるのでしょうか。
恐らくAちゃん本人にもわからないので、複雑な感情を抱いていると思います。
それでも彼女は再び舞台の上に上がるでしょう。

最後のシーンです。
Bちゃんは動画を止めて、また最初に戻して、何度も繰り返しこの舞台を見ています。
彼女もまた「待っている」のです。
■おまけ画像




映るシーンが少なかったのでわかりにくかったと思うのですが、この子はAちゃんでもBちゃんでもありませんね。
では誰でしょう。多くは語りません。
この動画はダブル(トリプル?)ミーニングのように、色んな意味が取れるようにしています。
私の楽曲でもあり、可不の楽曲でもあってほしかった。
そういう気持ちからこういった表現をしました。

ボツの下書き。
AちゃんとBちゃんが客席で隣に座っているシーン。
「こんなものはないよ」という否定も含めてワンシーンになると、すこし冗長になってしまうと判断したのでボツになりました。
■余談
いかがでしたでしょうか。今回は今までの楽曲の中でもトップクラスでたくさんの意味を込めた作品になったと思います。なので解説もちょっと多めにしました。
以下は、この作品を作るにあたって自分が何を考えていたのか、書いています。
冒頭で「答え」を公開したくないと述べましたが、その「答え」に近いものが推測できてしまうかもしれないので
作者の心境無しに、作品の世界観を楽しみたい人には蛇足になってしまうと思います。そういう方は、ここで読むのをやめていただいたほうがいいかもしれません。
そういうわけで、画像集を楽しんでくれた方はこれにて。
可不の楽曲を作るというお話をいただいた時点で、何をテーマにしようか悩みました。
自分の作品は、『わかりやすい』部分が評価されているのではないかと自分で考えています。わかりやすく暗い曲だったり、わかりやすく人が死ぬ曲とか、すぐにそれが物語だとわかるような。
もちろんそうでない作品もたくさん作っていますし、自分としては深い意味をつけた作品も、わかりやすい作品も、どっちも好きです。
ただ、『多くの人に求められる』『しとおの作品』は、もっとわかりやすく狂気じみていたり、暗かったりするものなんだろうな、と思っています。特色というか。そういう『武器』を持てているのは、創作家としてすごくプラスになるんだろうな、とも。悩んだりもしますけど。
だから、可不の楽曲についてもそういった「わかりやすい作品」にするという案もありました。
この楽曲を作り始める前に
自分にとっての音楽とは、作品を作り続ける意味とはなんだろうと考えていました。
常に考えていることではあるのですが、明確な答えは今もわからないままです。あるいは、常に変化し続けているのでしょう。
曲のテーマを決めかねていたある日、友人と話していました。その友人は趣味でイラストを描いたり、ぬいぐるみを作ったりしているのですが、ネットに公開したりすることにはあまり興味がない、そんな感じの人間です。
『しとお』の活動の話もしており、作品も度々見てくれているその友人と、なぜ作品を作るのかというお話をぼんやりしていました。
友人は「自分が欲しいものが存在しないから作っている」と言っており、作る過程が楽しいのももちろんあるけれど、自分は人のために作っているわけではない、だから人に作品を見せることに興味がないのだと思う、と話していました。
では私は、と考えました。その時に自分の口から出たのが「客席にいる自分を感動させたいから、作っている」でした。
自分が作っている以上、自分の作品は自分のものとしか見ることができません。他人の作品としてフラットな心境で見ることは、やっぱりどう頑張ってもできないのだと思います。
だからこそ、自分の作品が良いものなのか、それとも果てしもなくつまらないものなのか、よくわからなくなります。作者である自分が作品を絶賛できたとしても、それは「作者だから」という部分が含まれます。どうしても。
もしも、自分と同じ思考の、自分と同じように些細なことですぐにくよくよ悩んで、打たれ弱くて、そういう全く同じ自分が、全く知らない『しとお』の作品を見た時にどう思うだろう。と思いました。
作者としての自分ではなく、観客としての自分を感動させるような作品が作りたい。それができているとは未だに思えない。だからこそ苦しくても諦めきれずに、作品を作っているのだろうな。
ということに、その時気付きました。
そういうことを考えていて、そして可不と花譜を見て、花譜の楽曲を聴いて、これをテーマにしよう、と考えました。
自分のためだけの独りよがりの作品であってはいけない。だから可不のための曲に、自分の心境と重なるような作品にしたい。
私が作った作品に、誰かが共感してくれるように。
作品というのは誰か一人のためのものではないな、と思います。少なくとも私にとっては。
私が私のために作った作品に、共感してくれた誰かがいて、その人の中ではじめて作品になるのだと、私はそう思っています。
私が記憶をなくして自分の作品を見るでもない限り、私が私の作品を全くの先入観なしに見て感動できる日は来ないし、だからつまり『客席の私』というものは存在しないんですけど。
でも、私のつくったものが誰かに共感を得られて、誰かの中で作品になるなら、私は客席の私を感動させるためにあれやこれやと色んな表現を考え続けるんだろうなーと思います。
客席の私というのは、つまり、あなたなんだと思います。私と全く同じではないけれど、私と似た弱さを持っている人間。”あなた”っていうのも特定の誰かではなくて抽象的な意味なんですけどね。
あなたが「私だ」と思ったら、あなたです。
あなたのために作品を作っています、私は。
今書いてて思いつきましたけど。
めちゃくちゃ長くなってしまいましたが、そんな感じの気持ちを込めて『第四の壁、向こうより』は出来上がりました。
ここまで話していいんか!?蛇足だね!?でもFANBOXだから、あんまり興味のない人は見に来ないかな……なんて思っているので。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
今後の活動予定は、まだまだ未定ですが音楽(楽曲作品)とゲーム制作に力を注いでいきたいなと思っています。
やりたいことがたくさんあるのですが、前よりは無力感が薄らいできているので、少しずつ進めればなと思います。
どうか今後とも気長に見守ってくださいませ。
FANBOXの更新ももうちょっと頑張れたらなと思います!
ではまた。
ちなみにろくろ回しのポーズは自分の納得いく練度に達することができなかったので、見送りとさせていただきました。今後インタビュー記事に載ることを想定し、鍛錬を続けてまいります。実際にろくろを回すべきか悩んでいます。
それとは関係なくProgressはいい曲なので聴いてください。